水辺の戯れ+α
「なぁ八戒。」
「はい?」
「家っていつから託児所になったんだ?」
目の前の湖ではしゃいでいるのは・・・我が家の同居人と三蔵のペット、否悟空である。
「別に託児所になった覚えはないんですが・・・」
「んじゃどうして最近悟空がうちにいる事が多いんだよ!」
寝転んでいた体を起こして木陰で本を読んでいた八戒の方を振り返る。
「それは三蔵がこちらでの用事が多いから・・・ですよ?」
しれっと言いのける八戒に悟浄の手が小刻みに震え始める。
「何で、サルを、預かるんだ?」
「いいじゃないですか。面倒を見ているのは貴方じゃないんですから。」
「食費がかさむだろうが!!」
「あまり大きな声を出すとが驚きますよ?」
八戒に言われてふと湖の方を見ると、岸辺に座っていたが確かにこちらを振り向いて心配そうな顔していた。
悟浄は微妙に引き攣った笑みを浮かべながらそっちに向けて手を振ると、声を落としてもう一度八戒に言った。
「食費がかさむだろ?」
「それがそうでもないんですよ。」
パタンと本を閉じた八戒はやれやれといった表情で目の前の家主を見つめた。
「そうでもないって・・・どういう・・・」
「三蔵から食費を預かっています。」
「はぁ!?」
「だから悟空の食費は間に合ってるんです。どちらかと言うと誰かさんの飲酒量が家計を圧迫してきてるんですよねぇ?」
空は青く日差しは暖かい、否暑い。
それなのに目の前の笑顔はブリザードのように悟浄の体を冷やしていく。
固まりきる前に何とか視線を反らした悟浄は、適当な事を言ってその場を逃げ出し安全地帯である達の元へと駆け出して行った。
それがこれからの事態を呼び込むとも知らずに・・・。
BACK
水辺の戯れのオマケ・・・と言うか、場面説明(笑)
スミマセン、本当に大した話じゃなくて(笑)
いや〜三蔵抜きで悟空を入れて話を進めようとすると、どうしても三蔵が悟浄の家を託児所のように扱ってるように思えてしょうがなくて・・・。
そしたら悟浄が絶対文句言いそうだなぁと。
で、八戒に聞いてみたらお金貰ってるからOKと言う・・・ただそれだけの話(笑)
ちなみにこの話をしなければ、悟浄がヒロインの所へ行く事もなかったし、ヒロインが水を被る事も無かった・・・ワケですね♪